1.はじめに

    チームワーク

    部下指導において年齢差を乗り越えることは、リーダーとして重要な課題です。世代傾向は一概にすべての人々に該当するものではなく、個々人によって価値観は当然異なります。しかし、実際問題、異なる年代のメンバーが同じチームで働く場合、その年齢差は様々な課題を生むことがあります。たとえば、コミュニケーションスタイルや価値観の違い、仕事への取り組み方の違いなどが挙げられます。しかし、この年齢差をうまく活かすことで、チームの生産性や創造性を向上させることができます。部下指導において年齢差を乗り越え、チーム全体のパフォーマンスを向上させるためのヒントを見つけてみましょう。

    2.年齢差を理解する

    年齢差があるチームで部下を指導する際には、まず各年代の特徴や価値観の違いを理解することが重要です。以下では、異なる年代間の特徴とそのチームへの影響について考察します。

    (1) 年代ごとの特徴や価値観の違い

    部下指導において最も重要なことの一つは、異なる年代間での特徴や価値観の違いを理解することです。例えば、ミレニアル世代(1981年~1996年生まれは仕事とプライベートのバランスを重視し、柔軟な働き方を求める傾向があります。一方で、ベビーブーマー世代(1946年~1964年生まれ)は安定性や経験を重視し、伝統的な働き方を好む傾向があります。これらの違いを理解することで、部下とのコミュニケーションや指導方法を適切に選択することができます。

    (2) 年齢差がもたらすチームの多様性の利点

    年齢差があるチームは、異なる視点や経験を持つメンバーが集まっています。この多様性は、チームの問題解決能力やイノベーション力を高めるため、非常に重要です。年齢差を活かすことで、チーム全体の生産性やパフォーマンスを向上させることができます。

    例えば、先に見たように、ミレニアル世代は新しいテクノロジーやトレンドに敏感であり、急速に変化する状況に適応する能力が高いです。一方で、ベビーブーマー世代は長年の経験を活かし、安定した意思決定や問題解決能力に優れています。これらの異なる能力や視点を組み合わせることで、チームはより創造的で効果的な解決策を見つけることができます。

    3.世代間にみるコミュニケーションの取り方

    後継者育成

    部下との円滑なコミュニケーションは、年齢差があるチームでの指導において特に重要です。適切なコミュニケーションを行うことで、部下との信頼関係を築き、チーム全体のパフォーマンスを向上させることができます。以下では、部下との効果的なコミュニケーションの取り方や、年齢差を埋めるためのコミュニケーションのポイントについて解説します。

    (1) 適したコミュニケーション手段を選択する

    異なる年代のメンバーが同じチームで働く場合、コミュニケーションのスタイルや好みも異なります。ミレニアル世代はメールやチャットなどのデジタルコミュニケーションを好む傾向がありますが、ベビーブーマー世代は直接会って話すことを好む傾向があります。リーダーとして部下と効果的にコミュニケーションを取るためには、部下のコミュニケーションスタイルや好みに合わせて柔軟に対応することが重要です。

    (2) 世代間における価値観を尊重したコミュニケーションをとる

    記事冒頭でもお伝えしましたが、世代間に配慮したマネジメントの考え方は指導する際の一つの要素に過ぎず、それを中心にもって指導すると、先入観や固定観念をもってしまうことになるのでいけません。あくまでも、人間関係構築の序盤において、リーダーが指導上の配慮という観点で考える程度のもです。それを踏まえて引き続き記事を書いて参ります。

    上記(1)のように、世代間によって好む傾向のあるコミュニケーション手段の存在、世代間での仕事観・家族観の違いなど、世代ごとにその傾向と呼ばれるものは存在します。

    そのような世代間の価値観を批判や否定することなく、受け入れた上でのコミュニケーションをとっていくことがとても重要です。それぞれの価値観から生まれる欲求を実現していくためにはどうすれば良いか、チームの成長も同時に考えたうえで、最適な指導上のコミュニケーションを取っていく必要性があります。

    4.チームワーク醸成に必要な要素

    フィードバック

    チームの生産性を向上させ、組織目的の実現と組織人員の自己実現を図ろうとする際、チームワークの醸成は絶対不可欠です。年齢差のあるチームにおいても、この普遍的な要素は当然当てはまります。チームワークの醸成には何が必要か、その要素を見ていきます。

    1. チームに明確な目的・目標があり、メンバーがコミットしている。
    2. メンバーの役割分担が出来ている。
    3. 一人ひとりが主体的に参加し、責任を持って行動している。
    4. PDCAサイクルが適切に機能している。
    5. メンバーが必要な情報を共有している。
    6. メンバー同士の信頼関係が構築されている。
    7. 適切な相互支援がある。

    とくに、上記1、2のチーム目標の明確化役割の明確化が重要です。

    チームが向かうゴールとゴールに向かう上での各人の役割内容は誰が見ても分かるようします。そうすることで、世代が違えども、仕事上の迷いはなく、各人の個性を効果的に発揮しながら目標まで全員で進むことができます。

    たとえ、価値観の違いからチーム員同士が衝突しても、向かうゴールは皆一緒なわけです。そこで発生したボタンの掛け違いはリーダーが間に入り、必要な調整を行っていけばよいです。

    避けなければいけない状況は、ゴールと役割が見えていない状況です。その状況で価値観が衝突したのであれば、その問題の本質はリーダーのリーダーシップの欠如でしょう。

    ゴールが見えない不安、各人が役割が見えないことによる不安、こういった要素がストレスになり衝突に至った可能性は否めません。リーダー自らチームの結束を崩壊させていることに繋がります。世代間ギャップをコミュニケーションの観点だけで語られる場合が少なくないですが、それは狭義です。リーダーはそもそもチーワークを醸成するための活動を徹底して行う必要があります。この点がもっとも大事だと考えます。

    5.まとめ

    後継者育成

    これまで見てきたように、世代間による考え方の違いや好みの違いなどは間違いなくあります。それをチームとしてマイナスに捉えるのではなく、チームの生産性向上のために、様々な視点で問題を見ることができるとプラスに捉えていくことが大事です。

    また、世代間云々ではなく、リーダーにはチームワーク醸成のためにやるべきことがあるわけです。それらをしっかりと行い続け、チーム内での衝突を随時解決し続けていけば、チームの結束は強まり、チーム員各人の個性をうまくチーム目標達成のために活用することができるようになります。

    年齢差をみるのではなく、リーダーが如何にチームワーク醸成に向けた行動を取ることができるか、ここが本質だと考えます。

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      serea-ishikawa
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