はじめに

    具体性

    KGIやKPIについては一度は聞かれたことがあるかと思います。
    KGIとは重要目標達成指標であり、その要素を実現するためにKPIと呼ばれる重要業績評価指標(最終ゴールまでの中間指標)があります。

    とても難しそうに聞こえますね。
    しかし、これは最終ゴールを実現するための当たり前の考え方であると言えます。
    誰しも、最終ゴールを成し遂げる上で、それまでの通過点を打ち立てますよね。最終ゴールが大学入試を突破する、だとすれば、いついつまでに模試でA判定をとるという中間目標を立てますね。
    そのように、最終ゴールまでに小さな中間ゴールを定量的に定めたうえで着実にゴールに向かおうとする考え方なのです。

    目標管理の考え方からすると至極当然の流れです。
    本日の記事ではこのような考え方について、詳しく見ていきたいと思います。

    1.まずは言葉の意味を知る

    KGI

    (1) KGI(Key Goal Indicator)とは

    KGIは、Key Goal Indicator(重要目標達成指標)の略であり、達成したい最終目標を定量化する指標です。KGIはビジネスの主要な目標を表し、ビジネスが成功したかどうかを評価するための重要な指標です。例えば、売上目標の達成率や顧客満足度などがKGIの例です。

    (2) KSF(Key Success Factor)とは

    KSFは、Key Success Factor(主要成功要因)の略であり、ビジネスが成功するために重要な要因を示す指標です。KSFは、ビジネスが目標を達成するために必要な要因や条件を表し、ビジネスの成功に直接影響を与える要素を指します。

    (3) KPI(Key Performance Indicator)とは

    KPIは、Key Performance Indicator(主要業績評価指標)の略であり、ビジネスの最終目標に向かうプロセスごとの達成度合いを測定するための指標です。KPIは、最終目標に向かって進んでいるかどうか、その進捗状況を定量化し、評価するために使用されます。KGIがビジネスの最終的な目標を表すのに対して、KPIはその目標に到達するための途中段階の進捗状況を示します。

    2.KGI、KSF、KPIの重要性

    事前準備

    (1) KGIの重要性

    KGIは、達成したい最終的な目標を定量化する指標です。ビジネスが成功したかどうかを評価するための重要な指標であり、ビジネスの方向性を示す役割を果たします。KGIが明確に定義されている場合、チーム全体が共通の目標に向かって一体となって努力することができます。また、KGIはビジネスのパフォーマンスを定量化し、目標達成の進捗状況を可視化するための基準となります。さらに、KGIが明確に設定されている場合、ビジネスの成功を評価し、成功した戦略を確認するためのフィードバックループ(PDCAサイクルが回る)を作成することができます。

    (2) KSFの重要性

    KSFは、ビジネスが成功するために重要な要因を示す指標です。KSFは、ビジネスが目標を達成するために必要な要因や条件を表し、ビジネスの成功に直接影響を与える要素を指します。適切に定義されたKSFは、ビジネスが成功するための重要な要因を明確にし、成功に向けた戦略を立てるための指針となります。また、KSFはビジネスの成功に必要なリソースや能力を特定するための重要なツールです。ビジネスが成功するためには、KSFを適切に把握し、それらの要素を最大限に活用することが不可欠です。

    (3) KPIの重要性

    KPIは、設定したKSFを確実に実現するためにその達成度合いを測定するための指標です。KPIは、ビジネスのパフォーマンスを測定し、目標達成に向けた戦略を評価するための重要なツールです。適切に設定されたKPIは、チームの方向性を明確にし、目標達成に向けた取り組みを促進します。また、KPIはビジネスのパフォーマンスを定量化し、目標達成の進捗状況を追跡するための基準となります。

    以上のように、KGI、KSF、KPIはビジネスの成功に不可欠な要素であり、それぞれがビジネスの方向性を示し、パフォーマンスを測定し、成功に向けた戦略を立てるための重要な役割を果たします。これらの指標を適切に理解し、活用することで、ビジネスの成功に大きく貢献することができます。

    3. KGI、KSFKPIの設定方法

    フィードバック

    (1) KGIの設定方法

    KGIを設定する際には、次のステップに従うことが重要です。

    ① 目標の明確化

    まず最初に行うべきことは、ビジネスの最終的な目標を明確にすることです。達成したい最終目標を具体的かつ明確に定義することが重要です。目標が明確に定義されていない場合、KGIを設定することは困難です。例えば、売上の増加、顧客満足度の向上、市場シェアの拡大など、ビジネスの最終的な目標を明確に定義しましょう。

    ② 成功の定義

    次に、ビジネスの成功を定義します。最終目標を達成したときにどのような状態になるかを明確に定義することが重要です。成功の定義は、KGIが達成されたかどうかを判断するための基準となります。例えば、売上が前年比10%増加した場合、顧客満足度が90%以上である場合などが成功の定義の例です。

    ③ KGIの選択

    最後に、ビジネスの最終的な目標を表すKGIを選択します。KGIはビジネスの成功を測定するための重要な指標であり、ビジネスの方向性を示す役割を果たします。KGIは達成したい最終的な目標を具体的に定量化する指標です。ビジネスの最終的な目標に合わせて適切なKGIを選択しましょう。

    (2) KSFの設定方法

    KSFを設定する際には、次の点を留意していきます。

    ① 成功の要因の特定

    KGIを達成するために必要な要素は何か特定していきます。例えばKGIが売上を10%向上させる、だとすれば、どのような要素が必要か考えていきます。商品認知度を上げる、売価を上げる、サイトの利便性を上げるなどが考えられます。

    ② 注意したい点

    設定したKSFを実現すれば、KGIの実現に繋がると言い切れることが必要です。ここの繋がりがとれていなければ、努力したことが成果として現れないので、現場のモチベーションは大きく下がり、組織としてもその後のマイナスの影響が危惧されますね。

    (3) KPIの設定方法

    ① SMART原則の適用

    KPIを設定する際には、SMART原則を適用することが重要です。SMART原則とは、Specific(具体的)、Measurable(測定可能)、Achievable(達成可能)、Relevant(関連性がある)、Time-bound(期限がある)の頭文字を取ったものです。KPIはSMART原則に従って設定することで、目標を達成するための具体的な行動計画を立てることができます。

    ② データの収集と分析

    最後に、KPIを測定するために必要なデータを収集し、分析します。KPIを定量化し、測定するための具体的な方法を確立し、定期的にデータを収集し、分析します。これにより、ビジネスのパフォーマンスを評価し、目標達成の進捗状況を追跡することができます。また、データの収集と分析を通じて、ビジネスのパフォーマンスを向上させるための戦略を立てることができます。

    以上のように、KGI、KPI、KSFを設定する際には、それぞれの指標の特性や目的を考慮し、適切な方法で設定することが重要です。適切に設定されたKGI、KSF、KPIは、ビジネスの成功に不可欠な要素であり、ビジネスのパフォーマンスを評価し、目標達成に向けた戦略を立てるための重要なツールとなります。

    まとめ

    役立ち情報

    これまで見てきたように、KGI→KSF→KPIの流れは『数字』『論理』の世界です。

    ゴールを達成する上で非常に合理的な考え方です。

    もともとSMART原則はタイムマネジメントにおいて、仕事の進め方を最適化するために活用されているものです。ゴール設定が最適化されていないと仕事の進め方が非効率になってしまいます。そのため、SMART原則とHIROEN原則を用いて、仕事の進め方を最適化し、定時で退社し、私生活とのバランスをとる。いわゆるワークライフバランスの考え方がここにあります。

    KGIやKPIのように難しく表現していますが、言ってみればちゃんと筋道立てたうえでゴールは誰が見ても分かるようにしようねって言っているだけなのです。

    ただ、多くのチーム組織において、筋道が立てられていない、ゴールが定量的に表現されていないなど、事業戦略やプロジェクトが暗礁に乗り上げてしまう状況が多くあるのも事実です。

    いまの努力を続ければ最終ゴールにたどり着くと言えるか、また、各プロセスでは現実的に達成可能な範囲で、何を、どのレベルまで、変化させるのか

    この点を明確にしていけば光が見えるということです。

    実践して参りましょう。